Tranya「T10-B」レビュー、安くて多機能で無難なイヤホン


Tranya(トランヤ)が販売している完全独立型イヤホン「T10-B」を購入したのでレビューする。約7,000円で購入できるが、自分が購入したときは半額のクーポンを使って購入した。提供ではなく自腹で購入している。

デザインは尖っている訳でも無く音質に特化している訳でも無いが、防水や急速充電に対応したバランス型で、多くの人にお勧めできると思う。雑音取り消し機能等は付いていないが、この値段でこれだけの機能があれば十分だと思う。

付属品


おしゃれな化粧箱に入れられて届いた。箱が凹んでいるということもなく満足だ。


箱の中にはイヤホンと付属品が丁寧に梱包されている。樹脂のフィルムで覆われていて傷はついていなかった。遊びもなくしっかりと固定されていた。


イヤーピースが最初から取り付けてある物を含めて三種類付属している。個人的には最初から取り付けてあったのが丁度良かったので取り替えずに使用している。つけた感じは悪くは無いが、もし気に入らないという人がいたらソニー製のイヤーピース等に付け替えられるので検討してみて欲しい。


充電用のUSB-Cケーブルも付属している。心配になる位線が細い。他の製品でもしっかり充電できているので、必ずしもこれを使う必要は無いと認識している。

無難なデザイン


黒い筐体に真っ黒な字で「Tranya」と書かれている。見た目は変に尖っておらずどこでも使いやすい。


個人的に気に入っているのはケース内部の造形がお洒落なところ。複数の円がイヤホンを取り囲んでいたりケースの縁を構成している。デザインが強く主張している訳では無いが、無頓着でも無い。これがさりげなく気に入っている。


イヤホン本体は「うどん」と呼ばれていた持ち手部分が出ておらずすっきりと収まっている。


未接続時はこのランプが赤と青に点滅していて分かりやすい。タッチセンサを搭載していて、この部分にはトランヤのロゴがある。かっこ悪くは無い。

体感でも十分な電池持ち

ここからは約2か月間使った感想を交えながら、体感と仕様に基づいて書いていく。やはり完全独立型イヤホンで気にするのは電池持ちだ。

音質は、百均で売っている完全独立型の千円イヤホンや千五百円イヤホンでなければ大概すぐに慣れてしまう。このイヤホンを購入したのも、以前使っていた音質重視の完全独立型イヤホンの電池が少しずつへたってきて、使えなくなるのを恐れたからだ。たまに音質重視のイヤホンに戻してみると違いに気づくが、慣れてしまえさえすればどちらでも良い。場面に合わせて使い分けていくつもりだ。


ケース前面にはケースの電池残量を表示するランプが付いている。しばらく充電せずにいると、いつの間にか電池残量が無くなっている事があったのでこまめに充電する様にしよう。この前に使っていたイヤホンはこの部分が故障して一つが光らなくなったが、いまのところこの製品はきちんと稼働している。


USB-C端子は充電用だが急速充電にも対応してる。急速充電はケース内蔵の電池の寿命を縮める事になると考えているので使っていない。しっかりと差し込むので端子がガバガバになる心配も無いと思う。

仕様上はイヤホン本体は8時間電池が持つとされている。ここからは体感上の話だが、使っていてイヤホン本体の電池がなくなってしまうという経験は今のところ余り無い。以前のイヤホンは劣化もあるだろうが、度々使用中に電池が無くなってしまう事があった。

当然8時間ぶっ続けで使い続ければ電池は無くなってしまうだろうが、実際は外出しながら列車内や施設内で1〜2時間使うという例が多い。自宅で長時間使う場合も、休憩する際に外すなどして気をつければいい。充電ケースも合わせれば、最大で連続32時間電池が持つので、外出中にケースもイヤホンも電池がなくなって詰むということは無いのではないか。電池がへたってくれば状況も変わるだろうが、今のところ不便はしていない。

IPX7準拠の防水・防汗

防水機能の恩恵にあずかった事が無かったので、このイヤホンを購入するときは防水・防汗機能については特に考えずに購入した。しかし意図せずにこの機能に助けられることになる。

実は、電子機器を初めて水没させてしまったのだ!これは本当に焦った。上記の通り特に防水を意識していなかったので壊れたかと本気で心配したが、幸いな事に壊れていなかった。
イヤホンの管理には本当に気をつけようと思った。確かに以前から、列車を降りる前にイヤホンをケースにしまってから降りるとかはしていたが、この時は油断していた。この教訓を忘れないようにしないといけない。防水があって良かったと人生で初めて思った瞬間だった。

悪く無い音質

音質を評価する技能は自分には無いので、大雑把な解説で勘弁して欲しい。主観では人の話を聞く分には十分な音質だし、音楽を聴くにも音が変ということもなく聴ける。このお値段にしては十分だと考える。

当然ハイレゾには対応していないので不満に思う人もいるだろうが、個人的にハイレゾ音源を聴くのであればヘッドホンの方がいいだろうと考えている。イヤホンは列車や外出先で普段使いし、自宅でじっくり楽しむときにハイレゾ対応ヘッドホンを使おうか考えている。

最もハイレゾ対応イヤホンをしばらく使ってみたら考えが変わるかもしれないので何とも言えない。最近はまた、開放型ブルートゥースヘッドホンというのがオーディオテクニカさんから発売されているのでそれを購入してもいいかもしれない。

いずれにせよ、音質に特化したイヤホンでは無いと分かっていて購入したので個人的に音質に不満はない。

イヤーピースの脱着がしにくい

全般的にこの製品を買って満足しているが、2か月間使用しているうちに多少気になった点もあるので記しておく。

まずイヤーピースが脱着しにくい。自分は特にイヤーピースを頻繁に付け替えたりする事は無いのでそこまで不便には思っていないが、掃除はしにくいので気にする人は結構いるかもしれない。

誤ってタッチセンサを押してしまう事がある

以前使っていた完全独立型イヤホンはボタンで再生や一時停止の操作を行う。それは一切不便ではなかったが、この製品を使い始めてからちょっと不便だと思う場面が増えた。それはT10-Bはタッチセンサ方式だからである。

タッチセンサ方式と物理ボタン方式のどちらが優れているかという話をしたいわけでは無い。物理ボタンに比べてタッチセンサは隙間がないので防水性能も上がるだろう。しかし、イヤホンを外したり着けたりする時や角度を調節するときにタッチセンサに触れてしまう。そうすれば止まったり再生されたりするわけだが、これが意図しないときに起こってしまうのがまあまあ不便だ。致命的という訳では無いが、個人的には物理ボタン方式の方が好きだ。

結論

個人的に音質重視のイヤホンを一回やめてみるという試みをしてみたが、案外音質に不満を持つ訳でもなく電池持ちもいいので日常的に使う様になった。当然音質が良い方がいいか悪い方がいいかであれば、良い方を使いたい。慣れてしまえばどうって事無いのかもしれないが、今更2,000円以下の完全独立型イヤホンを常用できるのかは怪しい。

デザインに不満があるのかで言えば、別にデザインが良くて購入に踏み切ったわけでは無いのだからこれでいい。トランヤの完全独立イヤホンには、個人的にT10-Bよりも好みの製品はあるが、今回は値段最優先で検討したのでそれらは見送った。デザインと言っても装着していれば小さくて目立たない完全独立イヤホンというジャンルなので、よほど派手で虹色に光るとかオレンジ色とか奇抜なものを買わなければ変な目ではみられないと思う。逆に会話のネタにもなりにくいわけだが。

これよりもっとお金を出せば、デザインにこだわったいい完全独立型イヤホンだって手に入る。しかし、そうなれば果たして外国企業のイヤホンだけを購入する理屈がなくなってしまうのでは無いか。当然ゼンハイザー等高級ブランドのイヤホンもあるが、あえて外国企業の製品だけを購入する理由もないと思う。激安品であれば尚更だ。

日本は農業国ではなく工業国であり、なおかつ技術立国であるのだから国産ブランドの完全独立型イヤホンの選択の幅はかなり広い。以前はソフトウェアやアプリの作りが国産ブランドはいまいちだという事もあっただろうが、国内が問わず多くの企業が参入している完全独立型イヤホンというジャンルなので、そう思うことも余りなくなったのではないかと考える。

余り電子機器に興味がない人と喋った時、ソニーやパナソニックの様な大手企業に比べて、外国企業の知名度の低い製品について「変なやつ(商品)」と言われた事がある。自分が持っているものの話ではなかったが、自分の体面を考えた時に値段最優先で検討するのでないのであれば出来るだけ国産ブランド(国内企業)の製品を買おうと思ったのだった。

この製品や以前自分が使っていた製品よりももっと高みを目指すのであれば、「デザイン」「ハイレゾ」「雑音取り消し」を追求するだろう。デザインは前述した通りだが、ハイレゾ対応イヤホンは個人的に余り必要性を感じない。現時点での感想だが、あくまでもイヤホンはイヤホンなので音質に執拗にこだわってもしょうがないのではという認識がある。

一方で雑音取り消し機能のついた完全独立型イヤホンは、一回くらい使ってみてもいいかもしれないと考える。一番気になっているのはソニーのリンクバッズSだが、高性能ノイズキャンセリングが搭載されているので魅力的だ。尚且つ長時間装着しても疲れづらいというコンセプトが自分にぴったりとあっているので凄くいい。次に高性能完全独立型イヤホンを買う時はこれにしたい。

話がだいぶ脱線したが、T10-Bに戻す。個人的に買う前に一番心配していたのが遅延だ。結論から言えば気にならなかった。勿論高機能なゲームをすれば気になる場面も出てくるだろうが、個人的にその様なゲームはしないので気にならない。

もう一つ気になる点を挙げれば接続の安定性だ。以前はMacBook側の問題もあるだろうが接続が途切れたりして不満があった。しかしこの製品は安定していて個人的に困る様な場面もない。しっかり素早くつながってくれるので気に入っている。

最後にまとめれば、どのような目的で使うのかをしっかり考えて購入すればいい買い物になるだろう。実用的にどう活用するのかを検討し、音質に特に拘るとかハイレゾ対応等の付加価値を高く求めないのであれば、常用していけるだろう。雑談を聞くという用途においては電池もよく持つし十分だと思う。是非自分の求めている機能や用途とそれに合致する製品を探し、いい買い物をして欲しい。

都樹れいや

電子機器を使用した感想や意見を掲載します。その他に健康や趣味の動画についても言及する場合があります。音声番組の配信も行なっています。