6,980円で購入したタブレット「EGBOK P803」レビュー


令和4年6月中旬頃にツイッター等のSNS上で密かに話題になった、イオシス公式から販売されていた「EGBOK P803」という激安8インチアンドロイドタブレットを購入した。このタブレットの最大の魅力は、6,980円という本体価格の異常な安さとそこそこ使える性能という、用途があえば前代未聞の費用対効果が発揮される点だ。

ツイッター上の情報では7月13日に完売したとの事だが、販売開始から1ヶ月経たずして6千台の在庫が全てなくなるほどの人気だった。7月10日に購入した時は、総在庫量は600台程はあったと思う。

あくまでも自分が入手した端末を使用した主観的な感想だが、SNS上での口コミやレビュー記事で指摘されている様なカクツキやがたがたなスクロールは、体感ではあまり気にならなかった。

元々一月に購入したブラックビュータブ6という似た性能の製品を毎日使っているから慣れているだけかもしれないが、ブラックビュータブ6はアマゾンで約13,000円する事を考えるとやはりP803は異常に安いと言える。

自分はタブレットで重たいFPSゲームやシミュレーションゲームをするつもりは無い。既に完売してしまったのでもう入手困難だが、ユーチューブで動画を見たり、ツイッターをしたりクロームでネットサーフィンをしたりといった、軽い負荷しかかからない作業をするつもりの人には、このタブレットはがっつりささるだろう。近い性能のタブレットを購入する時の参考にもなるだろう。

初めてこの商品を知ったイオシスさん公式のつぶやき↓

1ヶ月経たずに完売したとのつぶやき↓

技術仕様

基本的に値段相応の部分が多いので、あらかたさくさく動いて快適といった体験を期待してはいけない。しかし、この値段でGPSや移動通信に対応するなど頑張っているというか、値段の割に異常に充実しているというのが率直な感想だ。

電池は4千ミリアンペアとそこまで大きくは無いが、すぐに電池がなくなって困るという程減りもしない。画面はHDだが自分はHD以上の解像度のタブレットを買った事が無いのでこれでも大して不満では無い。個人的注目点はGPS対応であるところだ。移動した距離分のポイントが稼げるアプリを使っているので、それが使えるタブレットであると知った時に一気に興味が増した。

(携帯電話では下の仕様表は技術的問題で表示されません。)

技術仕様
OSアンドロイド11
CPUSC9863A
主記憶3GB
内蔵記憶32GB
蓄電池4,000mAh
急速充電非対応
Wi-FiIEEE 802.11b/g/n(2.4G)
移動通信対応
ブルートゥース4.2
画面8型(800×1280)HD
筐体色黒色
大きさ127.8×208×10mm
3.5ミリ音声端子有り
マイクロSDカード対応
カメラ前面5M・背面8M
GPS対応

なおイオシスさんで購入すると6ヶ月間保証を受けられる。同梱されている領収証が保証書を兼ねているので大切に保管しておこう。

梱包と付属品


イオシスの公式ページで7月10日に注文して12日に到着した。雑な梱包ということでも無くしっかりと化粧箱が紙袋に包まれて届いた。化粧箱に伝票が直接貼り付けられる通販サイトもあるとの情報があるが、幸いにも自分は遭遇した事は無い。


内容物は上の写真の通り。ぷちぷちに包まれたタブレットの化粧箱、納品書兼保証書、広告の紙が入っていた。これら一式が段ボールに入ってくるものかと思っていたが、日本国内でのやり取りなので合理的な梱包になっていた。

納品書には本体代金と送料が記されている。それだけでなく、この商品は購入してから半年間は保証を受けられるので、紛失したり破棄したりしない様大切に保管しておこう。またいくら払ったのかが記録されているので、保証期間が終わったからといってすぐに捨てないことをお勧めする。


とあるサービスのロゴと、EGBOKのロゴが印刷されている。この外資系企業さん自体は日本国内で事業を継続しているが、箱に書かれたロゴのサービスはこの間撤収している。その関係で、6千台もの端末がイオシスさんに流れてきた様だ。


箱の中にしっかりと本体が収められている。動かない様に固定されていて安心感はある。ビニールで緩く包まれているが、値段を考えればこれで十分だと思う。


内容物は上の写真の通り。タブレット本体、簡易説明書、品質検査合格証、充電線、充電器、SIM取り出しピンで全て。結構充実した内容になっている。充電器は5V2Aに対応している。品質検査証の日付けは令和4年の1月8日(金正恩同志の誕生日)となっており、今年に出荷されたものだと分かる。


簡易説明書の内容で一番気になっているのがメモリだ。イオシス公式さんでは2GBと案内されていたが、SNS上の情報によれば3GBの場合があるという。そこが自分が購入した端末はどうなのか、実際気にしていたが後で書く様に自分の元に届いたのは3GBの端末だった。


ビニールに本体が包まれているが、特に傷や擦れは見受けられなかった。手に持った印象としては想像以上に軽いといった感じだ。安い機種なのでもうちょっと重くてもしょうがないと考えていたが、これは期待以上の商品だと感じた。

本体外観


本体の画面側は値段相応で縁は大きいが、同じ価格帯の8インチタブレットと変わらないので不満は無い。また、本体を振ってみると内部からからからと音がするのが気になった。


本体の背面を実際に見て思ったのは、「想像よりも黒いな」という点だった。もっと安い素材で色が薄いのを想像していたが、手触りや質感が想像していたよりも良くてちょっと驚いた。質感はさらさらしている。とはいっても筐体が美しい水色のタブ6と比較すると安っぽいのは否めない。


USB端子等が集中している方を上側とすると、上にはUSB-C端子、イヤホン端子、SIM及びマイクロSDカードスロットがある。イヤホン端子は音声入出力だけで無く、FMラジオアンテナの役割も果たす。だからこそラジオアプリで選択可能な周波数を87.5以上に制限しないでもらいたいのだが。充電端子は5V2Aまでの対応で、急速充電には対応していない。


右部分には電源ボタンと音量ボタンがある。電源ボタンの方が下に配置されている普遍的な配置。


下部には端子やボタンはなくスピーカーが配置されている。個人的にはイヤホンを使うのでほぼ使わない。


左側には何も無い。SIMカードスロットが左側にあることが多いが、この製品は上部にある。


上部にはインカメラとマイクがある。この写真を見ればわかりやすい様に、最初から画面保護フィルムが貼り付けられている。

起動と動作確認


電源ボタンを押してから「ようこそ」が表示されるまで(初回起動)は34秒だった。初期設定をする際にWi-Fiのパスワードをキーボードで入力したりしたが、もたつく事は無かった。初期設定の時点でもたつく端末は、不満を感じつつ使うしかないのでここで安心。


ほぼ起動直後の画面。すっきりしている。


標準ランチャーは結構使いやすい。しかしグーグルの検索バーを削除できないのでノバランチャーに後で変更している。アプリはドロワーを下にスクロールせずとも収まる程の少なさ。とてもすっきりしていて主観的評価は高い。


本体内蔵記憶容量は32GB。最初から7.6GB使用されている。サイズの大きいゲームアプリや、ドラマや映画を保存すれば圧迫されるだろうが、マイクロSDカードが使えるのでそちらに逃がせる。


通知領域とステータスバーは標準のまま特に改造は加えられていない。ここは好みが分かれそうだが、個人的にはシャオミのMIUI等のカスタムUIは問題なく使えて、そちらの方が便利な時もあるので、これが使いずらいとは思わない。


購入してから実物で確認するまで一番不安だったのは、メモリ容量。イオシス公式さんは2GBだと案内していたが、実機を確認したら3GBだった。2GBと3GBでは動作の滑らかさが変わってくるので、これはとても嬉しい。


ナビゲーションバーの選択肢は多い。戻るボタンとタスクボタンが入れ替えられるのは勿論、通知領域を表示するボタンも配置できる。ただジェスチャーナビゲーションが使えないのが辛い。アプリを入れれば同じことができるとの情報があるので試してみたい。

新鴨緑江大橋と連絡道路の周辺と、普通江
河岸段々式住宅区(令和4年7月末時点)

口コミでいくつか書かれていたのは「グーグルマップの動作がもっさりする」というもの。頻繁に使いはしないがたまに必要になるので気にしていたが、実際に使ってみたら特に不便では無かった。自分はこの性能の端末に離れているし個体差も考えられるが、常用しても問題ない位の動作だった。


ブルートゥースでイヤホンと接続し、星街すいせい氏の「天球、彗星は夜を跨いで」を再生してみた。安い機種なので遅延があるのでは無いかと心配したが、特に遅延も音質も問題なかった。自分が購入したブルートゥース製品はいくつかあるが、特に遅延がひどいと感じた製品は無かった。


画面がHDで粗いのは事実だが、慣れているので特に問題はなかった。

革命的におすすめの楽曲
天球、彗星は夜を跨いで

FMラジオと周波数制限問題


この機種にはFMラジオ機能が搭載されている。標準でアプリが搭載されていて、イヤホンをアンテナ代わりにして聴取できる。しかし、選択出来る最低の周波数が上の写真にある様に87.5MHzからで、居住地域の放送を聴取できない。これは限りなく不便だ。

日本国内の実際の環境では、87.5MHz以下や70MHz台にも多くの放送局があるので、これらをFMラジオ受信機能が付いた携帯電話やタブレットで聴きたいのが本心だ。SDRドングルセットも所有しているが、携帯電話やタブレットでは操作方法が分かりにくいし、(キュービックSDRというソフトしか使えない)喫茶店といった外の施設では使いづらい。すっきりしていながら受信出来るのが魅力なのに。

音声番組(ポッドキャスト)の製作もしているし聴取もしているが、RTL-SDRを購入して関心を持ってから一年以上学習を続けているなど、ラジオへの関心もとても高い。ラジスマを買えばそれでいいのかもしれないが、機種が限定されるしタブレット端末には現時点で対応していない。気軽に電波を捕まえて聞けないのは心底残念だ。

外出先でFMラジオを聴取する場合、家電量販店で売られている様な小型携帯ラジオを使うのも有効だ(ケーズデンキで確認した)。ただブルートゥースイヤホンを使えないので、同じく小型の送信機を使う必要があり、携帯電話やタブレットと一緒に持ち運ぶときの負担はどうしても大きくなってしまう。経済的負担もあるし、もしかすると持ち出すのも億劫になってしまう場合がある。

ともかく、次のスマホはラジスマ対応機を購入する予定なのでこの部分の損失は賄えるだろう。同時に上で述べたRTL-SDRの学習・研究と小型FMラジオの導入を進めるつもりだ。インターネットで聴取できるアプリもあるが、災害時の情報収集の観点からはあまり好ましくはない。(もしもインターネットが使えなくなってもラジオで状況を把握できる。)

実際の使用環境での評価

九十九佐命さん「Astrogirl」

実際にこのタブレットの使用環境に基づいて、主観的な評価を書いていく。ベンチマーク等の客観的な評価は省略する。このタブレットはイオシスさんの独占販売流通商品だが、一ヶ月経たずに六千台というかなりの在庫がなくなるほどの人気だった。それ故多くのレビュー記事が公開されており、そもそも完売しているので需要はほぼないと踏んだ。中古の需要も多くはないだろう。

このタブレットの使い方としては、動画共有サイトでの動画や放送の視聴、SNSの閲覧や書き込み、ブラウザでの調べ物、音声配信やラジオの聴取などだ。どれに対しても言えるのは高性能な処理能力が不要な作業だという事。重たいFPSゲームや以前は携帯電話で遊んでいたマインクラフトはしなくなったので不自由に感じる場面も少ないと思う。

上で触れた様に、負荷のかからない作業であってもスクロールが駄目だとかグーグルマップの動作が重くて使えないとか、心配になる報告がブログやSNS上でされており、場合によっては費用対効果が著しく悪化してしまう場合があるし、今後も性能や仕様表だけを見て判断できないなと感じた。実機で確認したところ、その様な症状は確認できなかった。

動画の視聴にはブルートゥースイヤホンを使っているが、音の遅延が気になる事はない。画質も慣れたので気にしていないし問題無いだろう。ただ長時間使いっぱなしだと動作が重くなるので、その時はタブレット端末を再起動しないといけない。ブラウザも動作が重くなるという同様の問題があるが、そこまで不便だとは感じない。Googleマップも問題なく動作している。


保護フィルムとケース


保護フィルムと手帳型ケースを購入した。購入金額はアマゾンで税込3,380円だった。ケースは「オールドキューブスマイル1」のケースを購入した。ボタンの部分が硬いのがいまいちだが、特にずれている部分は無く使えている。フィルムはPDF工房さんの物が安かったので購入したが不安があった。非光沢のフィルムを購入したのが、以前ブラックビュータブ6を購入した時に買った非光沢フィルムが結構反射していて残念だった経験をよく覚えている。


ケース内部。作りはひどく無くてむしろ触り心地は好み。ただボタン部が固くて押せたのかそうでないのかが分からないのがちょっと残念。


まだ包装を開けたばかりで馴染んでいないので浮いている。ただ解消するのは時間の問題なので気にしていない。


PDA工房さんの「パーフェクトシールド」シリーズの非光沢型(ブルーライト軽減やペーパーライク製品では無い)を購入した。
PDA工房「EGBOK P803」パーフェクトシールド(非光沢)
ブラックビュータブ6の時よりも反射防止性能の高いフィルムが届いたので満足だが、商品を注文して到着する前に「パーフェクトシールドプラス」という新製品が発売されていることを知った。次回以降、非光沢フィルムを購入する時は、必ず「パーフェクトシールドプラス」製品を買う様にする。
タブ6の純正のケースはウェットティッシュで黒い汚れを落とせたが、今回購入したケースはどうなのか分からない。販売終了になる前に予備に購入しておきたい。

ブラックビュータブ6との使い分け

今年の一月、ロシアのウクライナ侵攻や円安の進行が始まる前に「ブラックビュータブ6」を購入してこのブログでも紹介している。今後はブラックビュータブ6を約3年後まで保管しておいて、P803を普段使いするつもりだ。

正直大差が無いのでどちらを普段使いするか悩んだが、それぞれの優位性や比べて見た時の欠陥が気になって、タブ6外出時は持ち運んでいた。P803の気に食わなかった点は、端末ロック解除時に暗証番号を入力する画面の作りが甘い事。通知領域がタブ6の方が使いやすい点。P803の画面分割の方法が不明な点。以上が理由でタブ6を保管しておくことにした。

ただブラックビュータブ6の電池消費量が大きいと感じる場面があり、もう少しの間タブ6を普段使いして見てからどうするか決断するつもりだ。

総評

GPSやデュアルSIM、マイクロSDに対応するなど、激安タブレットでは珍しい付加価値がついていることで一気に気になった。画面解像度や処理性能だけで見比べれば同じ価格帯の8型アンドロイドOS搭載タブレットと大差ないし、筐体色が綺麗でお洒落という様な明快な差別化要素もない。

ただ、6,980円という驚異的な安さと、それらの付加価値が合わさって、この製品を独特なものにしている。自分がペイディで購入した直後に売り切れたみたいで、思い切った決断は大事なのだと改めて認識した。P803はもう新品で販売されていないし、タブレット以外にもお金を回していきたいので、大切に使っていきたい。
都樹れいや

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