「Hololive」や「ホロライブJP」表記についてカバーの偉い人に直接質問してみた #論評002


最近個人的に気になっていたのが、カバー株式会社の展開しているバーチャルタレント事業「ホロライブプロダクション」の表記方法についてだ。公式アカウントや公式ウェブサイトではhololveと全て小文字で表記されているのに対し、ホロライブイングリッシュのタレントや海外の切り抜き動画の見出しでは、一様に「Hololive」と表記されているのだ。

単純に英語では文字の先頭を大文字にするので、おかしな書き方ではない。しかし人によっては外国の方でもhololiveと表記されているし、そもそも日本と海外とで同じアルファベットの表記が、しかも固有名詞で変わってくるというのはかなり変な話だ。

何で公式アカウントや公式ホームページではhololiveと統一して表記され、海外ではそれに倣わず「Hololive」と書かれているのか。これはかなりもやもやするので、大変身勝手ながら直接カバー株式会社の役員の方に尋ねてみることにした。

凄いお方に失礼ながら確認してみる

天と地の差、絶世偉人とごみくずのような身分の違いでありながら、誠に勝手な質問をさせていただいたのは、カバー株式会社の最高技術責任者(CTO)を務めていらっしゃる、福田一行さんだ。個人的な身勝手な行動と発言にもかかわらず、懇切丁寧に返信をしていただいき、心から感謝を申し上げます。


本当に身勝手ながら、「5周年本当におめでとうございます!気になっていたんですが、やはり現行はhololive表記なんですね Hololiveといった誤表記が英語圏等で目につくので…
大切なブランドなので正式な表記が広まって欲しいと思いつつ、これだけ広く愛されるサービスを運営されている方々には感謝してやみません」というクソリプメッセージを送らせていただいた。

すると直ぐに返信が返ってきた。お手数をお掛けして申し訳ございません。


絶世偉人の福田さんによれば、「組み合わせによってはHololiveの場合もあると思います。
単体だとhololiveで統一してたかと思います。」との事だ。まさか取り合ってもらえるとは思ってもおらず動揺してしまったが、冷静になって失礼の無いように感謝文を送った。

凄いお方の慈愛のおかげで、自分みたいなごみくず人間が回答を得る事ができた。「単体で表記する場合はhololiveで統一している」との事で、やはり「Hololive」と単体で表記するのは公式な表記方法ではないと確認できた。

何故それが問題なのか

「別にそんな、大文字にするか小文字にするかの違いなんか、どうでもいいじゃないか」と言われればそれまでなのだ。でも個人的には、そんなどうでもいい事が大事だったりするのだ。

いきなり話がずれるが、最近、日本航空の鶴丸と呼ばれるロゴマークの歩みを知って感銘を受けた。新ロゴマークを使い始めて十数年したころ、経営破綻に追い込まれた日本航空。京セラ創業者である稲盛さんが会長に就任した時に、最初に行ったのが「鶴丸」ロゴへの回帰だという。すると、他の施策の効果もあって、社員に一体感が生まれて、超短期間で上場できたという。


ごみくずの素人が急いで書き上げた記事なので、間違った点があればご容赦願いたい。大雑把に日本航空のロゴマークについて記してみたが、その会社や事業の名称やロゴマークは企業と会社の文化を象徴するものであり、社員が一体になって働く上での心の拠り所であるという論説を、一番具体的に紹介できるのが鶴丸ロゴだったということだ。

つまり、名称やロゴマークは単なる名前や絵ではなく、関係者が一致団結して前進していくには欠かせない「動力源」であり、過度だと言われるくらいには拘った方がいいものであると、個人的には捉えている。

一般の感覚とどれだけ違うかは分からないが、会社によっては「ロゴマークの周囲には何ミリメートルの余白を開けること」と指示している会社もあるので、hololiveと書くか、「Hololive」と書くかの違いを指示する位であれば、そんなに嫌がる人もいないと思うが、どうだろうか。

SIGMAというカメラを作っている会社がある。この会社は「シグマボールド」というフォントを自ら開発して、製品の電磁表示や外装、会社のホームページに至るまで、この「シグマボールド」というフォントで統一している。なんとフォントから会社内では統一して使っているのだ。

ロゴがどうとか大文字か小文字かどうかといったレベルではなく、フォントから作って「シグマの世界観を構築している」という取り組みに大層感動した記憶がある。それが会社にとってのある種「動力源」なのだ。全て小文字でhololiveと書くのを理解して貰うとか、そんな事は簡単な話だと理解していただけたと思う。

少し違うかもしれないが、カバー株式会社の社長さんが「YAGOO」と呼ばれて多くの人から愛されているのは、他の役員の方と一緒に事業を興して素晴らしいコンテンツを作り出した同氏への感謝と、ファンが一体となってタレントを応援していくにあたって、ある種心の拠り所になっているんじゃないかと推測している。

ホロライブJPという表記について

ホロライブJPという、公式ホームページには登場しない表記を最近見かける機会が増えた。ホロライブと単に表記するだけでは、日本メンバーと海外メンバーを区別するのが難しいというところから生まれたものだろうと推測している。

しかし、これに関しても違和感がある。日本メンバーについては、単に「ホロライブメンバー」とか、区別しやすくするのであれば「日本メンバー」と表記すればいい話なのだ。

その理由は、ホロライブプロダクションとは初期から活躍している日本メンバーとカバー株式会社の社員さん方が、長期間の努力と自己鍛錬を積み重ね、その対価として得られたのが、今の大変な知名度であると考えているからだ。

つまりホロライブの基礎を固めたのが、初期から活動している日本メンバーやカバー株式会社の社員さん達であり、その上に柱を立ててより目立たせたのがホロライブイングリッシュのメンバーやホロライブインドネシアのメンバー、ホロスターズのメンバーらであると捉えている。

それを踏まえた上で改めて考えてみると、後から来た人たちの様に「JP」と表記して同じレベルに扱うのがちょっと躊躇される。「ホロライブ」と単に表記するのでは分かりにくいという意見があるが、まさにホロライブの基礎を作ったのは日本メンバーであり、この方々の努力が無ければその先の繁栄も無かっただろうと考えると、あえてENやIDと同じ並びで扱わず「ホロライブ」とそのままの名前で呼ぶのが、一番いいんじゃないかと考える。

ある意味その功績を考えてみると、ホロライブイングリッシュやホロライブインドネシアを存在意義の上では超えているのが日本メンバーである。その努力をたたえて、あえてJPと「分類付け」、「ラベル付け」せずに「まさにあなた達がホロライブメンバーである」という風に捉えてみるのがいいんじゃないかと思う。

また、カバー株式会社さんの公式ホームページには次のような文章が掲載されている。

日本発のカルチャーを、
世界が愛するカルチャーに。


谷郷

私たちはVTuberをメインにした二次元エンタメの領域で展開していますが、このカルチャーは日本ならではのユニークなものです。そこから生まれる新しい体験を、先陣切って世界に届けていきたい。そんな想いで、事業を進めています。ようやく日本国内でもVTuberの存在が浸透してきたので、本格的に海外展開に力を入れているところです。


福田

VTuberは日本のサブカルチャーと似ている要素が多く、海外の方にも必ず受け入れてもらえると信じています。マンガ・アニメ・ゲームなど、世界の中でも存在感を放っているコンテンツの良いところをかけ合わせながら、VTuberを新たな日本の顔となるカルチャーとして普及させていきたいと考えています。」


上の日本メンバーの努力云々は、この文章を書くにあたって後付けしたという面も実はあるのだが、以前から気になっていたのは、上のカバー株式会社さんの公式ホームページに掲載されている文章との関連だ。

日本発のカルチャーを、世界が愛するカルチャーに。」という一言。ホロライブは日本発のコンテンツであるのに、そこにあえて「JP」と付け足してみるのは、会社の方向性に反するのではないかと気が付いた。ホロライブ自体が日本発のコンテンツである事は十分に知られているのだから、「日本発のカルチャーを、世界が愛するカルチャーに。」という基本方針をもっと大切にして欲しいと思った。

JP(JAPAN)と敢えて書くのは愚か

文章が長くなってしまったので、BBCを例に出して説明してみる。BBCと言えば多くの人が「英国の報道機関」だと考える。しかし、わざわざ「BBC UK」とは表記しない。世界中の人が、「BBCは英国の報道機関」だと知っているからだ。自信を持ってBBCとだけ書いても「あなたはどこの国の媒体なの」と聞かれないという次元だからだ。

逆に残念な結果なのが我が日本のNHKだ。NHKは外国語報道サービスを「NHK WORLD JAPAN」と表記している。これはNHKがどの国の報道機関か知らない外国人が多いから、わざわざJAPANと付け足さないと分かってもらえないからだ。

NHKはBBCと比べてインターネット上の外国語での情報発信が弱い。「アナログ国家」と外国から嘲笑される日本らしく、インターネットでの対外発信に力を入れなかった結果、BBCと比べて世界的な知名度で大幅に劣ってしまった。「デジタル敗戦」の典型的な例である。だから仕方なく、「NHK WORLD JAPAN」と呼んでいるのだ。

これで、敢えてJP(JAPAN)と付け足す事の愚かさを理解してもらえただろうか。流石にこの期に及んで「JPと付け足さないと分かりにくいだろ」と表面的な部分だけで話をする人は居ないだろう。

本質的に、「ホロライブ」という固有のブランドと、その背景について多くの外国人に認知されているありがたい現状では、JPと付け足すのは寧ろ愚かなのだ。でも分かりにくいじゃないかと思う場合は、「日本メンバー」と呼ぶのを勧める。アルファベットが混じってなくて寧ろ言いやすい。

この「ホロライブJP」表記についての異論を読んで、気分を害された方にお詫び申し上げる。ホロライブメンバーの間に格差を作りたいのではなく、あくまでもその努力と功績の大きさを考えた上での意見であるという事を、ここに表明しておく。また、カバー株式会社さんの標語やコメントに、勝手に余計な解釈を付け足した事に関して、お詫び申し上げます。

総評

「話が飛躍しすぎだ」とか「内容が薄い」と思われるのを承知で書いているが、公式の表記方法が、単体での表記の場合は小文字のhololiveであるというのを周知させて、ファンや関係者に従って貰うというのが、よりファンの一体感を高め、多くの人に会社の理念を共有しやすくする、ある意味お金のかからない最適解ではないかと提唱する。

「つまり、全部お前の個人的で身勝手な主張なだけじゃないか、くだらない記事だな」と、この記事を読んだ半分以上の人が思うだろうと考えている。反応しにくい記事だし、読みにくい記事に仕上がってしまったが、親切にも分かってくれる人だけが覚えてくれれば何も問題ない。

これらは一回多くの人を巻き込んで、虚心坦懐に議論すべきであると提唱する。上に掲載した事は、福田一行さんに関する部分と、カバー株式会社さんのホームページに掲載されている文章に関する部分を除いては、あくまでも個人的な所感なので、真剣に取り合ってもらう必要は一切無い。ただちょっと身の回りの名称に刻まれた事由や意義について考えるきっかけ位になって貰えれば幸いだ。

ここまで自分勝手な文章を読んでいただいた方に、心から感謝を申し上げる。また改めて、身勝手な行動に対応して下さった福田一行さんに、心から感謝を申し上げます。ツイッターで記事の修正や削除を要請していただければ、直ちに対応します。
都樹れいや

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